睡眠不足は危険信号禿げやすい体質に

「たかが睡眠不足」と軽く考えていると、思わぬところで健康に影響が出ることがあります。そして、その影響は髪の毛にも及ぶ可能性があり、慢性的な睡眠不足は「禿げやすい体質」を作り出す危険信号と言えるかもしれません。髪の毛の成長と修復には、質の高い睡眠が不可欠なのです。では、なぜ睡眠不足が薄毛に繋がるのでしょうか。その主な理由は「成長ホルモンの分泌不足」です。成長ホルモンは、その名の通り体の成長を促すだけでなく、成人してからも細胞の修復や再生、新陳代謝の促進など、体の様々な機能を維持するために重要な役割を果たしています。そして、髪の毛の主成分であるタンパク質の合成を助け、毛母細胞の分裂を活性化させるなど、健康な髪を育む上でも欠かせないホルモンです。この成長ホルモンは、主に睡眠中に、特に眠りについてから最初の深い眠り(ノンレム睡眠のステージ3~4)の間に最も多く分泌されます。睡眠時間が短い、眠りが浅い、寝る時間が不規則といった状態が続くと、成長ホルモンの分泌量が減少し、髪の毛の成長や修復が十分に行われなくなります。その結果、髪が細くなったり、ハリやコシが失われたり、抜け毛が増えたりする可能性があるのです。また、睡眠不足は「自律神経の乱れ」を引き起こします。自律神経は、体の機能を無意識のうちにコントロールしている神経で、交感神経と副交感神経の2つから成り立っています。日中は交感神経が優位になり活動モードに、夜間やリラックスしている時は副交感神経が優位になり休息モードになります。しかし、睡眠不足が続くと、このバランスが崩れ、交感神経が過度に緊張した状態が続きやすくなります。交感神経が優位になると、血管が収縮し、血行が悪化します。頭皮の血行が悪くなると、毛根への酸素や栄養素の供給が滞り、髪の成長に悪影響を及ぼします。さらに、睡眠不足は「ストレスレベルの上昇」にも繋がります。体が十分に休息できないと、ストレスに対する抵抗力が弱まり、些細なことでもイライラしやすくなったり、精神的に不安定になったりします。前述の通り、ストレスは血行不良やホルモンバランスの乱れを引き起こし、薄毛の原因となります。加えて、睡眠不足は「免疫機能の低下」を招くこともあります。免疫機能が低下すると、頭皮のバリア機能が弱まり、頭皮トラブルが起こりやすくなるなど、間接的に薄毛のリスクを高めます。

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