抜け毛をチェックする際、単に本数が多いか少ないかだけでなく、抜けた毛の「太さ」や「長さ」にも注目することが重要です。これらの特徴は、髪の健康状態やヘアサイクルの状態を反映しており、抜け毛の原因を探る上で貴重な手がかりとなります。まず、抜け毛が太くて長い場合、これは比較的健康な髪が自然なヘアサイクル(毛周期)を経て抜け落ちた可能性が高いと考えられます。髪の毛は成長期に太く長く成長し、その後退行期、休止期を経て自然に脱毛します。このような抜け毛は、ある程度は誰にでも見られるものです。しかし、太くて長い毛であっても、その本数が異常に多い場合は、何らかの原因で休止期に入る毛が急増している可能性(休止期脱毛)も考えられるため、注意が必要です。一方、抜け毛が細くて短い場合、これは髪の毛が十分に成長する前に抜け落ちてしまっているサインです。AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)では、ヘアサイクルの成長期が短縮し、髪が太く長くなる前に退行期・休止期へと移行してしまうため、細くて短い抜け毛(軟毛化)が増える傾向があります。このような抜け毛が多い場合は、薄毛が進行している可能性を疑う必要があります。また、栄養不足や血行不良、過度なストレスなども、髪の成長を妨げ、細く短い抜け毛の原因となることがあります。髪の毛の太さや長さにばらつきがある場合、例えば太い毛と細い毛が混在しているような場合は、頭皮環境が悪化していたり、部分的にヘアサイクルが乱れていたりする可能性があります。切れ毛と抜け毛を見分けることも大切です。切れ毛は、毛根が付いておらず、途中で切れたような状態になっています。これは髪のダメージ(パーマやカラーリング、乾燥など)が原因であることが多く、抜け毛とは原因が異なります。抜け毛の太さや長さを日常的にチェックすることで、自分の髪の状態の変化に気づきやすくなります。もし、細くて短い抜け毛が増えてきたと感じたら、早めに専門医に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。