美容師が教える薄毛の目安とは

毎日多くのお客様の髪に触れている美容師は、薄毛の初期サインや進行の兆候に気づきやすい立場にいます。お客様自身がまだ自覚していなくても、プロの目から見ると「おや?」と感じる変化があるのです。美容師がどのような点を薄毛の目安として捉えているのかを知ることは、自身の髪の状態を客観的に把握する上で参考になるかもしれません。まず、美容師がよく注目するのは「髪質の変化」です。以前担当した時よりも、髪の毛一本一本が細くなっている、ハリやコシがなくなって弱々しくなっている、といった変化は、薄毛の初期サインとして捉えられます。特に、頭頂部や生え際の髪が、他の部分の髪と比べて明らかに細く、柔らかくなっている(軟毛化している)場合は、AGA(男性型脱毛症)などが進行している可能性を考えます。次に、「毛量の変化」です。シャンプーやブローの際に、以前よりも髪全体のボリュームが減ったと感じたり、手に伝わる髪の量が少なくなったと感じたりすることがあります。また、カットの際に、ハサミを入れたときの髪の密度が以前と違うと感じることもあります。お客様から「最近、スタイリングがしにくくなった」「トップにボリュームが出ない」といった相談を受けることも、毛量変化のサインとして捉えます。そして、「頭皮の状態」も重要なチェックポイントです。頭皮が乾燥してカサカサしている、逆に脂っぽくベタついている、赤みがある、フケが多いといった頭皮トラブルは、健康な髪の育成を妨げ、薄毛の原因となることがあります。美容師は、シャンプー時やヘッドスパの際に頭皮の状態を直接確認し、お客様にアドバイスをすることがあります。また、「分け目の広がり」や「つむじの状態」もよく見られています。特に女性の場合、分け目が以前より広がって地肌が目立つようになったり、つむじ周辺の髪が薄くなって地肌が透けて見えたりするのは、薄毛のサインとして分かりやすい部分です。男性の場合も、頭頂部のつむじが大きくなったように見えるのは、AGAのO字型の進行を示唆している可能性があります。「生え際の後退」も、特に男性のお客様の場合、美容師が気づきやすいポイントです。前髪をカットする際や、顔周りのスタイリングをする際に、以前よりも額が広くなっている、剃り込み部分が深くなっているといった変化に気づくことがあります。