シャンプーやブラッシング、朝起きた時の枕元などで目にする抜け毛。ある程度の抜け毛は誰にでも起こる自然な現象ですが、その本数が急に増えたり、以前よりも明らかに多くなったりした場合、「もしかして薄毛の始まり?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。抜け毛の本数は、薄毛の進行度を推測する上で、比較的わかりやすい一つの基準となり得ます。健康な人でも、1日に平均して50本から100本程度の髪の毛が自然に抜け落ちると言われています。これは、髪の毛の成長サイクル(毛周期)の一環であり、成長期を終えた髪が退行期、休止期を経て自然に抜け落ち、その後また新しい髪が生えてくるという正常なプロセスです。この範囲内であれば、特に心配する必要はありません。しかし、この100本という数字を大幅に超える抜け毛が長期間続く場合や、以前は気にならなかったレベルの抜け毛が目立つようになった場合は、注意が必要です。それは、何らかの原因で毛周期が乱れ、成長期が短縮されたり、休止期に入る毛髪の割合が増えたりしているサインかもしれません。特に、男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症、あるいは円形脱毛症などの脱毛症が進行している初期段階では、抜け毛の増加が顕著に見られることがあります。では、具体的にどのように抜け毛の本数をチェックすればよいのでしょうか。完全に正確な本数を毎日数えるのは現実的ではありませんが、いくつかの方法で抜け毛の増減を把握することができます。例えば、シャンプー時の排水溝に溜まる髪の毛の量や、ドライヤーで髪を乾かした後に床に落ちる髪の毛の量を、定期的に観察してみましょう。以前と比較して明らかに量が増えている場合は、要注意です。また、朝起きた時の枕についている抜け毛の本数も参考になります。数本程度であれば問題ありませんが、毎日10本以上つくようであれば、抜け毛が増えている可能性があります。ただし、抜け毛の本数だけで薄毛かどうかを判断するのは早計です。抜け毛の「質」にも注目する必要があります。細くて短い毛や、毛根部分が細く弱々しい毛が多く抜けている場合は、髪が十分に成長する前に抜け落ちている可能性があり、AGAなどの進行を示唆していることがあります。逆に、太くてしっかりとした毛が抜けている場合は、自然な毛周期による抜け毛である可能性が高いです。