まさか自分が薄毛で悩む日が来るなんて、数年前までは想像もしていませんでした。しかし、三十代半ばを過ぎた頃から、シャンプー時の抜け毛の量が増え、鏡を見るたびに分け目が広がってきたように感じ始めたのです。最初は気のせいだと思いたかったのですが、友人からの何気ない一言で現実を突きつけられ、本格的に対策を始めようと決意しました。高価な育毛サロンやクリニックに通うのは経済的にも精神的にもハードルが高く、まずは自分でできることから試してみようと考えました。最初に手を出したのは、インターネットで評判の良かった育毛シャンプーと育毛剤でした。毎日欠かさず使用し、頭皮マッサージも念入りに行いました。しかし、数ヶ月続けても目に見える変化はなく、焦りと不安ばかりが募っていきました。そんな時、ふと食生活や睡眠といった基本的な生活習慣が疎かになっていることに気づいたのです。仕事の忙しさを理由に外食やコンビニ弁当が多く、睡眠時間も不規則でした。これではいくら良いケア用品を使っても効果が出にくいのではないかと思い至り、生活習慣の改善から本気で取り組むことにしました。まず、食事は自炊を基本とし、タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂ることを意識しました。特に、髪に良いとされる海藻類、ナッツ類、緑黄色野菜を積極的に取り入れました。大好きだったスナック菓子や甘い飲み物は極力控えました。次に、睡眠時間の確保です。どんなに忙しくても最低6時間は寝るようにし、寝る前はスマートフォンを見ないように心がけました。最初はなかなか寝付けませんでしたが、徐々に質の高い睡眠が取れるようになってきました。そして、ストレス対策として週末には軽い運動を取り入れ、趣味の時間も大切にするようにしました。これらの生活改善と並行して、シャンプー方法も見直しました。以前はゴシゴシと力を入れて洗っていましたが、指の腹で優しくマッサージするように洗い、すすぎも丁寧に行うようにしました。育毛剤も、成分をしっかり比較検討し、自分の頭皮に合いそうなものを選び直しました。すぐに劇的な変化があったわけではありません。しかし、半年ほど経った頃から、シャンプー時の抜け毛が少し減ってきたように感じ始めました。
月: 2023年4月
高血圧と診断薄毛ケアの変更点
高血圧と診断された場合、まず優先すべきは医師の指示に従い、血圧を適切にコントロールすることです。その上で、これまで行ってきた薄毛ケアについて、いくつか見直すべき点や注意すべき点が出てくる可能性があります。高血圧という新たな健康状態を考慮に入れた、より安全で効果的な薄毛ケアを心がけましょう。まず、市販の育毛剤やサプリメントの使用についてです。特にミノキシジル配合の外用薬を使用している場合、あるいはこれから使用を考えている場合は注意が必要です。ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発された成分であり、血管拡張作用があります。外用薬であっても、ごく一部が皮膚から吸収され、血圧に影響を与える可能性がゼロではありません。既に高血圧の治療で降圧剤を服用している場合、ミノキシジルの血管拡張作用が加わることで、血圧が下がりすぎたり、めまいやふらつきといった副作用が現れたりするリスクが考えられます。自己判断で使用せず、必ず医師や薬剤師に相談し、使用の可否や注意点について指導を受けるようにしてください。サプリメントについても同様で、血圧に影響を与える可能性のある成分が含まれている場合があるため、医師に確認することが賢明です。次に、頭皮マッサージの方法です。頭皮マッサージは血行を促進し、薄毛ケアに有効とされていますが、高血圧の方は力加減や方法に注意が必要です。あまりに強い力でマッサージしたり、急に首を強く揉んだりすると、血圧の急激な変動を引き起こす可能性があります。優しく、心地よい程度の力加減で行い、長時間のマッサージは避けるようにしましょう。また、入浴時の注意点も挙げられます。熱すぎるお湯での長時間の入浴や、急激な温度変化(熱いお風呂から寒い脱衣所へ移動するなど)は、血圧の急上昇や急降下を招くヒートショックのリスクを高めます。お湯の温度はぬるめに設定し、長湯を避け、脱衣所や浴室を暖めておくなどの工夫をしましょう。入浴はリラックス効果があり、血行促進にも繋がりますが、高血圧の方は無理のない範囲で行うことが大切です。生活習慣の改善は、高血圧治療と薄毛ケアの両方に共通して重要です。医師から指導された食事療法(減塩、バランスの取れた食事)や運動療法(適度な有酸素運動)をしっかりと守りましょう。