私にとって、朝のコーヒーは一日の始まりを告げる儀式のようなものでした。しかし、年齢を重ねるにつれて、髪のボリュームが減り、抜け毛が気になるようになりました。もしかして、毎日のコーヒーが髪に悪い影響を与えているのではないか、漠然とした不安を抱くようになったのです。インターネットで「コーヒー 薄毛」と検索してみると、様々な情報が飛び込んできました。意外だったのは、「カフェインが育毛に良い影響を与える可能性がある」という内容が多かったことです。男性型脱毛症(AGA)の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の働きを抑えたり、毛根の細胞を活性化させたりする効果が、研究段階ではあるものの示唆されているというのです。一方で、過剰摂取は睡眠の質を下げ、髪の成長に必要なホルモンの分泌を妨げる可能性があるとも書かれていました。私の場合、コーヒーを飲むのは朝から昼過ぎまでで、夜に飲むことはほとんどありませんでした。睡眠不足も慢性的に感じてはいなかったので、もしかしたらコーヒーが直接の薄毛の原因ではないのかもしれない、と少し安心しました。しかし、同時に、これまでは無頓着だったコーヒーの量や質についても考えるきっかけになりました。そこで私は、まずコーヒーを飲む量を見直すことにしました。これまで何気なく3杯、4杯と飲んでいたのを、意識して2杯までと決めました。そして、飲む時間帯も午後の早い時間までにするように心がけました。また、ブラックコーヒーを基本とし、砂糖やミルクを過剰に入れるのは控えるようにしました。これは、単に髪のためだけでなく、健康全般を考えてのことです。数ヶ月この習慣を続けてみて、劇的な変化があったわけではありませんが、髪の毛が以前よりもコシを取り戻し、全体的に少しハリが出てきたように感じています。抜け毛の量も、以前ほど気にならなくなった気がします。もちろん、これはコーヒーだけの効果ではなく、食生活や睡眠、ストレスマネジメントなど、他の生活習慣も同時に見直した結果だとは思います。